Market Research · Women's Health Rehab

産前産後・尿漏れリハは、
自費の専門整体だけで独立できるか

産前産後リハと尿漏れ(骨盤底)リハに特化した自費の整体・リハ専門店舗で独立する場合に、需要はどれくらいあり、これからどうなるのか。出生数、有病率、制度、担い手の数、関西の競合と価格から確かめました。

最終更新 2026-10-31 / 対象地域 全国+京都・大阪・神戸 / 数字はすべて出典つき

これは速報版です。7つの観点の詳細調査と数字の再検証を続けており、終わり次第このページを更新します。

Conclusion

結論:産後だけでは細い。尿漏れの中高年まで広げれば成り立つ

産後の母親だけを相手にすると、京都市の出生数は年7,090人(2024年)しかなく、1人で月100回の施術を埋めるには市内で出産した人の約3%を毎年集め続ける必要があります。しかも産後のお客様は数か月で「卒業」します。

一方で、尿漏れは産後に限らず40歳以上の女性の4割前後が経験するという調査があり、母数は桁違いに大きくなります。理学療法士が骨盤底を評価して運動指導までできる自費の専門店舗は、京都・大阪・神戸の検索ではほとんど見つからず、競合の大半は「産後骨盤矯正」をうたう初回3,000〜5,500円の整体です。

したがって、「妊娠中→産後→更年期→中高年の尿漏れ」まで一貫して見る女性の骨盤底の専門店舗として設計し、産婦人科・助産院・泌尿器科からの紹介と自治体の産後ケア事業を入口にできれば、専門だけで食べていける見込みは十分にあります。

67.1万人2025年の全国の出生数(概数)。10年連続で過去最少
7,090人2024年の京都市の出生数。前年より602人減
20〜35%産後に尿漏れがある人の割合(国内研究の範囲)
43.9%40歳以上女性の尿失禁の割合(国内疫学研究)
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産前産後リハの需要の母数はどれくらい?

全国の出生数は2025年に67.1万人まで減り、京都市は年7,090人です。産後の母親だけを顧客と考えると、母数は毎年小さくなっていきます。

京都市で産後1年以内の母親は、ある時点でおおよそ7,000人前後いる計算になります。毎年約8%ずつ減っているため、産後だけを対象にした事業は、何もしなくても市場が縮むことを前提に考える必要があります。

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産後や中高年で尿漏れに困っている人はどれくらい?

産後は2〜3割台、40歳以上の女性では4割前後が尿漏れを経験しています。しかも多くの人が受診も相談もしていません。

妊娠中の後期には6割以上が尿漏れを経験するため、産前からの関わりは「お客様との最初の接点」として価値があります。産前で信頼を得て、産後のケアにつなげる流れが作れます。

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産前産後・尿漏れリハの需要はこれからどうなる?

出産の件数は減りますが、尿漏れの需要は高齢化で増え、国の産後ケア支援と専門学会の設立で「骨盤底は専門家に診てもらうもの」という認識が広がりつつあります。

要素方向根拠
出生数減る2025年は67.1万人。10年連続で過去最少(人口動態統計)
中高年女性の尿漏れ増える40歳以上の過活動膀胱は2002年より2023年の方が多い。高齢化で対象人口そのものが増える
国の産後ケア事業広がる2019年の法改正で市町村の努力義務に。実施自治体は2014年度の29から2022年度に1,462(約85%)へ。2024年度の国の補助金は約60.5億円
専門家の層育ちつつある2025年に「日本ウィメンズヘルスケア理学療法学会」が設立。ただし骨盤底の多くは自費の領域で、広がりは途上
海外の標準先例ありフランスでは産後に骨盤底リハを約10回処方するのが標準で、公的保険の対象
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骨盤底を専門に見られる担い手はどれくらいいる?

理学療法士自体は毎年1.1万人ずつ増えていますが、女性の骨盤底を専門にする人はごく一部です。「産後骨盤矯正」をうたう整体は多い一方、評価と根拠のある運動指導をする専門家は希少です。

つまり、供給側は「数は多いが根拠の薄い骨盤矯正」と「根拠はあるが数の少ない理学療法士の骨盤底リハ」に分かれています。後者の立ち位置を取れれば、価格競争に巻き込まれにくくなります。

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関西の競合はどんな価格で何を提供している?

関西の産後骨盤矯正は初回3,000〜5,500円、通常8,800〜12,000円が中心です。理学療法士の骨盤底指導は病院の自費でも60分4,000円と安く、専門性を価格に乗せている店舗はまだ少数です。

施設エリア内容価格資格
Human Stretch 京都錦店京都市中京区(河原町)ストレッチ専門。産後の骨盤矯正を扱う¥2,700〜6,900記載なし(体験価格・通常17,200円表記)
太秦ときわ整体院京都市右京区産後骨盤矯正初回¥5,500通常¥8,800(税込)
うの整骨院京都市中京区(二条)産後骨盤矯正¥3,000整骨院(非課税表記)
ほんじょうレディース整体大阪産後骨盤矯正の専門初回¥5,500通常¥12,000。院長が担当、PTの記載なし
大阪狭山市の整骨院・整体院大阪府大阪狭山市産後骨盤ケアの回数券¥4,104〜4,389/回12回券換算・別途初検料あり
参考:病院の女性PT指導茨城県牛久市骨盤底筋体操のマンツーマン指導60分¥4,000女性理学療法士。2回目以降30分¥2,000

出典:Human Stretch 京都錦店・いこーよ(太秦ときわ整体院)・エキテン(京都市中京区 産後骨盤矯正)・ほんじょうレディース整体 LINE・エキテン(大阪狭山市)・城仁会 牛久。価格は掲載時点のもので変わる可能性があります。

空いている立ち位置

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理学療法士が自費で産後リハを開業するときの注意点は?

理学療法士に開業権はなく、治療としての理学療法は医師の指示が前提です。自費では「予防・コンディショニング」として提供し、治療や完治をうたわない設計にします。

  1. メニュー名と広告では「治療」「治る」「完治」を使わず、「骨盤底のコンディショニング」「尿漏れ予防の運動指導」と表現する
  2. 症状が強い人や妊娠中の人は、主治医の確認を取ってから受ける流れを決めておく
  3. 産婦人科・泌尿器科と紹介し合える関係を作り、医療が必要な人を確実に医療へ戻す
  4. 賠償責任保険に加入する(妊娠中の施術を扱うため必須)

この節は公開情報の整理で、法的助言ではありません。開業前に通知本文と所管の保健所・専門家に確認してください。

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専門だけで売上は立つ?京都市での試算

1人で月100回・単価8,000円なら月80万円です。産後だけで埋めると市内の出産した人の約3%を毎年集める必要があり、対象を中高年の尿漏れまで広げると必要な割合は大きく下がります。

目標の施術回数(1人・月)100回
想定単価(自費・60分)8,000円
月の売上80万円
1人あたりの平均通院回数(仮定)6回
必要な新規のお客様(年)約200人
京都市の年間出生数に対する割合約2.8%(200÷7,090)

単価8,000円・平均6回は仮定です。関西の整体の通常価格(8,800〜12,000円)と、理学療法士の病院自費(60分4,000円)の間に置きました。産後だけで年200人を集め続けるのは、紹介の仕組みがないと簡単ではありません。中高年の尿漏れまで対象に入れると母数が大きく増え、通院も長く続きやすくなります。

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専門で独立して勝つには何をすればいい?

「産後の骨盤矯正」ではなく「女性の骨盤底の専門家」として看板を出し、入口を医療・自治体・産前に広げ、出口を更年期・中高年まで伸ばすことです。

  1. 対象を広げる。妊娠中→産後→育児期→更年期→中高年の尿漏れ・骨盤臓器脱まで、同じ専門家が見る店舗にする
  2. 紹介の入口を作る。産婦人科・助産院・泌尿器科との連携、自治体の産後ケア事業(デイサービス型など)への参加を探る
  3. 価格を専門性に合わせる。初回は評価込みで丁寧に行い、整体の「初回3,000円」とは別の土俵で勝負する
  4. 説明を根拠ベースにする。「骨盤の歪み」ではなく、骨盤底筋訓練の効果と評価の結果で説明する
  5. 子連れで来られる環境にする。産後の来店の壁を下げる
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よくある質問

産前産後・尿漏れリハだけで独立してやっていけますか?
産後だけに絞ると京都市規模の商圏では母数が足りにくく、妊娠中から中高年の尿漏れまで対象を広げ、医療機関や自治体と連携できれば成り立つ見込みが高い、というのがこの調査の見立てです。
産後に尿漏れが起きる人はどれくらいいますか?
国内の研究では、産後早期で約31%、産後4〜9か月で約35%、前向き追跡研究では産後も20%台で推移したと報告されています。
理学療法士は自費で産後リハを開業できますか?
理学療法士に開業権はなく、治療としての理学療法は医師の指示が前提です。2013年の厚労省通知で、身体に障害のない人への予防目的の業務は医師の指示が不要とされたため、自費では予防・コンディショニングとして提供し、治療をうたわない設計が必要です。